民は食をもって天とす 2
次に、地面に布団をひいて寝転んでいた10人くらいのグループに声をかけてみました。
「皆さんは、ここに何をしにいらっしゃったんですか?」
一番年上に見える50歳くらいの女性が寝転んだまま大声で答えました。
「物ごいをやりに来たんだよ。
北京のほうから流れ流れてきたんだ」。
この女性の村は前年の秋、洪水に見舞われたのだそうです。
ちょうど収穫期だった作物は全滅。
それで、村の仲間と物ごいをして当分の闇食いつなぐことにしたのだといいます。
今度は若者のグループに聞いてみました。
最初に答えてくれたのは20歳前後のジーンズ姿の男、目が大きく愛嬌のある顔をしています。
「仕事は見つかりました?」
「ううん、まだだよ」
「お金を稼いだら何に使うんですか?」
「嫁さんをもらうんだ」。
・・・恥ずかしそうにそう言うと、彼は仲間の後ろに隠れました。
若者たちの足元には鍋と釜が置いてあります。
この広場で自炊をしているのでしょう。
代わってリーダー格の中年の男がしゃべりはじめました。